カラーで頭皮がしみる方に、カラーをすすめるかどうかを判断する基準
初めて来店されたお客様から、こういう相談を受けることがよくある。
他のお店で何度もカラーをして、そのたびに頭皮が痒くなったり、赤くなったりして、それでも白髪は気になる。そういう状態で、あきらめかけている方は意外と多いです。
こういうとき、自分がまず考えるのは「カラーをやめるしかない」というわけではない、ということだ。薬剤を見直すという選択肢がある。ただ、誰にでも同じ提案をするわけではない。今回は、どんな基準でカラーをすすめるかどうかを判断しているのか、書こうと思います。
判断のポイントは、大きく三つある。
一つ目は、カラーで何をしたいのか。
うちで使っている弱酸性のカラーは、髪の内部に薬剤を入れて脱色するのではなく、髪の表面に色素を吸着させて染める仕組みになっている。
そのため、白髪にはしっかり色が入る一方で、黒い地毛を明るくすることはできない。
だから、白髪を目立たなくしたい方には、とても相性がいい。
一方で、黒髪を明るくしたいというご希望の方には、予約のお電話をいただいた段階で、「うちのカラーではできません」とはっきりお伝えしている。
できないことをできるかのように言って施術をすれば、お客様の期待を裏切ってしまう。
来店してからわかるよりも、予約の段階で伝えておいた方が、お客様の時間も無駄にならない。納得したうえで選んでもらうことを大事にしています。
二つ目は、今の頭皮の状態。
カラーのたびにしみたり、かぶれたりしているお客様は、頭皮がすでに敏感になっていることがある。
だから、まず頭皮の状態を見せてもらう。
赤みはないか、乾燥していないか。
そして施術の途中も、頭皮の様子を確認しながら進める。
もし赤みや痒みが強く出ているときは、無理にカラーを入れることはしない。
まず頭皮を落ち着かせることを優先する。場合によっては、先に皮膚科で相談してもらうようおすすめすることもあります。
三つ目は、これまでの経緯をしっかり聞くこと。
どんな薬剤で、どのくらいの頻度で、どんな症状が出たのか。
いつ頃から気になるようになったのか。
この話を聞くと、原因がカラー剤そのものにありそうなのか、それとも他の要因が関わっていそうなのか、ある程度見えてくることがある。
そのうえで、弱酸性のカラーに切り替えることで、かぶれやしみる不安を減らせそうだと判断すれば、提案する。
ただし、「これなら絶対に大丈夫です」とは言わない。肌の状態には個人差があるので、言えないからだ。そのかわり、施術中も施術後も、頭皮の様子を一緒に確認していきます。
実際に、他店のカラーで頭皮がかぶれていたお客様が、今は安心して染められるようになり、通い続けてくださっているケースもある。
あきらめかけていたカラーを、また楽しめるようになったと言ってもらえると、この仕事をしていてよかったと思います。
カラーが合わないと感じているとき、やめることだけが答えではない。
何のために染めたいのか、今の頭皮の状態はどうか、これまで何があったのか。
それを一つずつ確認して、はじめて、その方に合った選択ができる。
そこを一緒に考えるのが、自分の役割だと思っています。
