カラーで傷んだ手触りが、ヘアエステで変わっていった話
O様は、ヘアエステとカラーを組み合わせて通ってくださっているお客様だ。
最初にいらしたときのお悩みは、長年のカラーの繰り返しで、髪の手触りがゴワついてきたというものでした。
カラーそのものをやめる、という選択をされる方も中にはいる。
でもO様は、白髪も気になる年齢だったし、カラーを楽しみながらも、髪への負担はできるだけ減らしたいという希望を持っていた。
このバランスをどう取るかは、正直、美容師としてよく悩むところです。
一般的なアルカリ性のカラー剤だと、染めれば染めるほど髪への負担は積み重なっていく。かといって、カラーを我慢してもらうことが正解とも限らない。おしゃれを諦めてもらうのではなく、繰り返しても髪を傷めない方法で続けられるようにするのが、自分の役割だと思っていいます。
O様には、弱酸性のカラーと、弱酸性のヘアエステを組み合わせることを提案した。カラーだけを続けていると、どうしても髪の内部が乾燥しやすくなる。そこにヘアエステで頭皮からケアを入れることで、髪が育つ土台からアプローチできる。
弱酸性カラーの仕組みは、一般的なアルカリ性のカラー剤とは違う。
アルカリ性は髪の内部まで薬剤を浸透させて脱色しながら染めるのに対して、弱酸性カラーは髪の内部に入り込まず、色素を髪の表面に吸着させて染めていく。内部にダメージを与えないので、繰り返し染めても髪へのダメージが蓄積していかない。
ただし、この仕組みには一つ知っておいてほしいことがある。表面に色をのせる方法なので、白髪にはしっかり色が入る一方で、黒い地毛を脱色して明るくすることはできない。
O様のように白髪が気になり始めた方にはぴったりの方法だけど、黒髪を大きく明るくしたいという方には向かない。
今回のO様のように、白髪のカバーを目的とする方に、特におすすめしている理由の一つです。
初めての施術のとき、O様は「本当に傷まないんですか?」と何度か確認された。
長年カラーを重ねてきた方ほど、髪が傷むことに慣れてしまっていて、逆に「傷まない」という状態を疑ってしまう。それくらい、これまでのダメージが当たり前になっていたのだと思います。
施術中、完全個室でゆっくり過ごしていただきながら、頭皮のマッサージも丁寧に行った。
カラーとヘアエステを同時に受けられるのも、頭皮や髪に負担をかけない薬剤だからこそできることです。
数回通っていただくうちに、髪の手触りに変化が出てきた。
ゴワついていた質感が落ち着いて、艶が出てきたという声をいただくようになった。
今では「ヘアエステがとても心地よくて、終わった後の手触りがいい」「カラーをしても髪が傷んだ感じがしない」と言っていただけるようになった。
個室でリラックスしながら過ごす時間そのものも、楽しみにしてくださっているようだ。
おしゃれと髪の健康は、本来どちらかを選ぶものじゃない。両方を諦めずに済む方法があるということを、施術を通して伝えていきたいと思っています。
