手取り14万円だった、あの頃の話

mcovo63

美容師になったのは18歳の頃だった。経済的な事情で大学には進まず、通信制で免許を取りながら現場に出ました。

今思えば、あの選択が今のすべての始まりだったんだと思う。

会社員美容師として働いていた頃、手取りは14万円だった。
朝早くから夜遅くまで働いて、休みも少なくて、それでも手元に残るのは14万円。

当時は実家暮らしだったけど、うちは母子家庭で、稼いだお給料の中から家にお金を入れるのが当たり前でした。

だから手取り14万円のうち、自分の自由になるお金はもっと少なかった。

気づけば毎月ギリギリでした。

「美容師って華やかな仕事」というイメージを持たれることも多いけど、現実はそんなに甘くなかった。

技術を磨くための練習は基本的に営業後。

休日にセミナーに行けば当然お金がかかる。

それでも「いつか一人前になれば」と信じて、とにかく目の前のことをやり続けていた。

正直、当時は「これが普通なんだろう」と思っていた。周りの同僚も似たような給料だったし、比べる対象もなかった。

美容師とはそういうものだと、疑うこともなかった。

転機になったのは、子供が生まれたことだった。
自分一人の生活なら、14万円でもなんとかやっていけた。でも家族が増えると話は違う。

この先、子供を育てて、進学させて、家族との時間も大切にしながら生きていけるんだろうか。

そう考えたとき、自分の給料に対して疑問を持った。
「このまま会社員を続けていて、本当に大丈夫なんだろうか」
不安は毎日のように頭をよぎった。

でも独立するなんて、当時の自分にとっては全く現実的に思えなかった。

技術に自信があったわけでもないし、お金もなかったし、何より「失敗したらどうしよう」という恐怖の方が大きかった。

それでも、子供の寝顔を見るたびに思うことがあった。このままでいいのか、と。
今振り返ると、あの手取り14万円の日々があったからこそ、独立を本気で考えるようになったんだと思う。

もし当時それなりに満足できる給料をもらえていたら、きっと今も会社員のままだったかもしれない。
不安が背中を押してくれることもある。

あの頃はそんな余裕はなかったけど、今ならそう言えます。

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7坪サロンの1人美容師
会社員美容師を約12年経験したのち独立し、7坪の1人美容室を8年間続けています。 華やかな成功エピソードより、開業当初の「誰も来ない期間」や、日々の試行錯誤のリアルを大切にしています。 Threadsでは、1人美容室のこと・独立のリアル・家族との時間について発信中です。
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